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日本の民法のルールでは、被相続人の子は生きていれば必ず相続人になれると決まっています。
たとえ離婚した前妻との子でも、「非相続人の子」という事実に代わりはありません。
現在の妻との子と同じく、非相続人の財産を相続する権利があります。
「そんな…ずっと一緒に暮らしてきたのはわたしたちなのに…」
「遺産を横取りされてしまうの…?」
このように、現在の後妻とその家族にとっては納得いかない感情がうまれるのもわかります。
特に、非相続人名義の住居として使用している不動産がある場合は前妻の子に取られてしまう危険が出てきます。
どうずれば揉めずに相続ができるのか。このページでは、前妻の子がいるとき不動産はどのように相続されていくのか、相続割合・交渉の方法についてまとめました。
前妻の子がいる場合の相続について相談する→相続に関するサポート窓口はこちら※24時間無料で相談できます
民法のルールに従うと、被相続人の血を継いだ子であれば、法律的な婚姻をしている妻との間にできた子以外の子であっても相続権をもちます。
離婚した前妻自身は配偶者ではないので、離婚をした時点で相続権がありませんが、子との血の繋がりは離婚によって消滅するものではありません。
・配偶者 ・第一順位:子 ・第二順位:直系尊属(親や祖父母など) ・第三順位:兄弟姉妹 |
■配偶者と子どもが相続人 |
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配偶者1/2 子供(2人以上のときは全員で)1/2 |
■配偶者と直系尊属が相続人 |
配偶者2/3 直系尊属(2人以上のときは全員で)1/3 |
■配偶者と兄弟姉妹が相続人 |
配偶者3/4 兄弟姉妹(2人以上のときは全員で)1/4 |
離婚した前妻との間にできた子も、現在の妻との子も、相続割合は同じです。
配偶者は必ず相続人となり、配偶者とともに優先順位が上の者から順番に相続の権利が発生していきます。
上の図のように、現在の妻である配偶者とその子、そして離婚した前妻の子一人が相続人になる場合、
・配偶者が遺産の二分の一
・配偶者の子が四分の一
・前妻の子も四分の一
これが法で定められた相続分となります。
※話し合いがまとまれば必ずしもこの通りにわけなければいけないわけではありません。
(詳しくはこちら→ 【法定相続分とは】その通りに分けなくても大丈夫?)
▼子どもの数が増えても「子ども全体で1/2」の割合は変わりません。子が3人のときはそれぞれ1/6ずつとなります。
現在の妻やその子にとっては「連絡をとりたくない」「遺産をわけたくない」という気持ちが出てくることもあるかと思いますが、内緒にしたり、放置して手続きを進めることはできません。
前妻の子の連絡先がわからないときは、被相続人の相続人調査をする過程で収集した戸籍謄本が最初の手掛かりになります。
過去に遡って被相続人の戸籍を収集すると、前妻の子の情報が載ったものが出てきますが、その情報は古いもの。
そこから前妻の子の戸籍を辿って現在の戸籍を突き止めます。
最後に「戸籍の附表」を取得することで前妻の子の現住所が判明します。
※通常は他人の戸籍を取得することはできませんが、相続などで正当な理由があれば役所で手続きをすることができます。
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戸籍をたどって住所が判明すれば、行こうと思えば会いに行くこともできますが、突然訪ねるのはトラブルの元。
まずは手紙など、書面で接触することが推奨されています。
ファーストコンタクトの段階で「あなたの取り分はいくらです」という風に「すでに全て決まっているのだ」という印象を与えてしまうとトラブルを起こしやすいので避けます。
※間違っても最初から「相続権を放棄してください」などと伝えないように。相手に不快な気持ちがうまれてしまうと、自分にとって不利な状況を生みやすくなります。
まずは「父が死亡し、あなたにも相続権があるので、今後の相談の為に連絡を貰えませんか?」くらいの表現にとどめることが大切です。
最初から実務的な内容を盛り込むのはタブーとされ、「話し合いの場を持ちませんか?」という旨だけを伝えるのがベターです。
「相続放棄してほしい」「遺産をとられたくない」…どんな本心があっても、実務の交渉は連絡がとれたあと、その後の交渉テーブルで行うようにします。
相続財産が、預貯金などわけやすいものであれば揉め事に発展する可能性もまだ低いのですが、問題は財産が不動産しかない/ほとんどが不動産というときです。
前妻の子には必要な取り分を与える必要がありますが、例えば後妻と家族が現在住んでいる家が遺産分割の対象になったら…?
家を切り分けるわけにもいかないですし、こういった場合はどうすればいいのか?を考えてゆきます。
解決方法としては2つ。
「・・・家を売らなくてはいけないなんて」
そう思われる気持ちはとてもわかりますが、前妻の子が相続権を主張したとき、何も与える財産がない場合は家を売って払うしか方法がありません。
自宅を手放したくない場合は、前妻の子の取り分に対して適切な財産を、不動産の代わりに与える必要があります。
代わりに交付する財産は、被相続人が残した遺産から払わなくてはいけない、というわけではありません。
後妻の固有の財産から、前妻の子へ代わりに支払うこともできます。
もしそのような財産が無い場合は、最後の手段として不動産に持分を設定して共有にすることもできます。
(ただしその家を利用しない前妻の子が納得しないことがほとんど)
現状をみてどうするのが良いのか当事者同士で話し合って決めるしかなく、決着がつかなければ最終的には裁判所の判断を仰がなければならなくなります。
こういった事態を避けるためには、生前に遺言書を必ず作成しておくことが重要です。
遺言書は相続トラブル防止の基本です。
現在の配偶者との子以外に子どもがいる場合、必ず作成しておくことが残されたものに対するマナーです。
遺言書には一定の法的な拘束力があり、原則として遺言書に記載された内容が一番に優先されます。
遺言者は本心に従って自由に相続分を考えることができるので、自分がこの世を去ったあとに家族に迷惑をかける可能性がぐっと低くなります。
例えば、今の配偶者とその家族の住処を残してやりたい、と考えるなら、
「自宅は配偶者に相続させ、前妻の子には他の財産を相続させる」
といった旨の遺言とすれば、原則としてその内容が優先されるので、配偶者や家族に自宅を遺すことができます。
👇ただし、相続人のうち「子」には遺産の最低取り分である「遺留分」が法律上認められているので、この点には注意し遺言を作成します。
「遺留分」とは、相続人に認められる最低限の遺産の取り分のこと。
法定相続人のうち「配偶者」と「子(代襲相続人を含む)」、及び「直系尊属」にその権利があります。
遺留分の計算は遺留分権利者が誰になるかで変わってきます。
相続人全体で1/2、相続人が直系尊属のみの場合は1/3が遺留分となります。
遺留分てどのくらい? | 相続人全体で、相続財産の2分の1 (相続人が直系尊属のみの場合は3分の1) |
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仮に配偶者とその子、及び前妻の子が相続人となる場合、前妻の子の個別的遺留分(実際の取り分)は遺産の八分の一となります。
もし遺言で、前妻の子の取り分が八分の一以下であった場合は、前妻の子は「遺留分減殺請求(いりゅうぶんげんさいせいきゅう)」を行い自身の遺留分を取り戻せます。
ですから、遺言を残す被相続人の立場としては、最初から遺留分を侵害しないような内容で遺言書を作成すると安心できます。
もし自宅以外の財産が無かったら…?
これはもう仕方がなく、生前に前妻の子に正直に話したうえで「今の家族に自宅を残してやりたいから遺留分の権利を行使しないでくれ」とお願いしておくくらいしか方法がありません。
(遺留分の権利は本人が納得していれば特に問題になることはない)
もしくは今の配偶者や子どもへ、生前に自宅の名義を変更するなどの前準備が必要です。
なにも工夫なしに亡くなってしまえば、相続開始後に前妻の子から遺留分の権利を主張されて、配偶者が自宅を売らなければならない事態になる危険が出てきます。
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