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物件売却前の必須知識土地価格相場の査定・調べ方(簡易版&詳細版)

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土地の価格相場の査定・調べ方

土地の価格相場を調べてみよう!

ここでは、土地がいくらで売却できるか知りたい時に土地価格を調べる方法を4種類解説しています。

「簡易」と「詳細」があり「詳細」のほうがより詳しい価格が分かります。後述しますが、土地の価格は不動産業者により上下10%以上も査定に価格差があると言われているのでまずは不動産の一括査定をしてみるのもおすすめです。

簡易

詳細

■土地の価格相場を調べる前に知っておきたい言葉
実勢価格・時価 実際に土地の売買契約が成立した価格のこと。
売り出し価格 「この不動産をこの価格で売りたい」と売主が希望する価格。
あくまで売主の希望価格なので、実勢価格・時価と一致しているとは限らない。
地価公示価格 国土交通省が毎年3月に公示する土地の価格。
不動産鑑定士や地元業者が直近の取引事例や今後その土地付近に何が出来るのかまでしっかり話し合いがされ価格が決定されるので、あくまで土地の価格相場を知るうえでは今現在最も精度が高いと言われる。
この価格は上に建っている建物は一切関係なく、更地での評価価格になっている。ただしすべての地点で評価が公示されている訳ではなく、該当するポイントが少ないので現実的には下記の路線価から土地価格相場を調べることが多い。
路線価 相続税や贈与税の計算をするときに使用する価格で、道路に付けられた値段。
(路線=道路のこと)
その道路に面する宅地1平方メートルあたりの評価額が毎年7月に国税局・税務署で公表される。
平米単価 1平方メートルあたりの土地評価額。
坪単価 1坪あたりの土地評価額。(1坪=3.30578512㎡)

1.不動産情報サイトで調べる簡易

土地の価格を大雑把に短時間で簡単に調べる方法として最も良いのが、不動産情報サイトを検索して「今売りに出ている近隣の土地の価格」を調べるという方法があります。

主要不動産情報サイトで土地価格を調べた画像

■主な国内不動産情報サイト

ただしこれは単なる土地だけでの価格ではなく、土地のみで調べたとしても上に家が建っている物件も検索に含まれてしまうことがあり正確に価格を知ることは出来ません。

また、今売りに出ている価格はあくまで売主の希望価格であり、時価・実勢価格と大きく異なっている場合があります。さらにその土地の条件により価格は大きく上下するので、あくまで簡単に土地の価格をなんとなく知りたいんだ、という場合のみこの方法は活用できます。

2.国土交通省の土地総合情報システムで調べる(取引価格・公示価格)簡易

国土交通省のWebサイト、土地総合情報システムを使用して土地の価格相場を調べる方法です。

国土交通省の土地総合情報システムWebサイトのキャプチャ画像

このWebサイトでは、実際に行われた不動産の取引価格を知ることが出来る「1.不動産取引価格情報検索」と、標準値や基準値の閲覧ができる「2.地価公示都道府県地価調査」の閲覧ができます。

1.不動産取引価格情報検索

不動産取引価格情報は実際に取引された価格やその土地の面積、形状などを調べることができます。データが膨大なので取引時期と不動産種類、ソート機能を上手く活用して利用してみましょう。

取引時期や不動産種類、地域が指定できる

不動産取引価格情報検索で取引時期・不動産種類・地域を指定する解説図

時期は必ず直近のものを選びます(過去からの推移も含めて知りたい場合は、過去1年間を含むもしくは過去2年間を含むと指定しても良い)。

不動産の種類は必ず指定します。地域は細かく指定が出来るので土地の実勢価格を知りたいポイントに絞って検索&閲覧が可能です。

ソート機能を活用して結果を見やすく!

上記で条件を指定して検索し表示される結果は、坪単価や面積、平米単価などは多い順or少ない順に、形状や種類などは種類別にソート(並び替え)ができます。

土地総合情報システムのソート機能の利用方法解説画像

上記の画像の部分、項目の横に▼▲のマークがあります。ここを押すことで並び替えが出来ます。

ソート機能を利用して不動産価格の並び替えを行った図

並び替えを利用すると、自分の売却したい土地と近い条件の不動産を見つけやすくなるので上手く活用しましょう。

実勢価格は平米単価が同じだったり同じ地域だとしても価格が幅広く、「全く自分と同じ条件の土地」というのは滅多に見つかるものではありません。さらに実際に写真や地図を見られないことから詳細が不明という点もデメリットです。ですから、これもあくまで簡易的な土地の価格相場調査になります。

2.地価公示都道府県地価調査

地価公示都道府県地価調査では、標準値の価格と基準値の価格を調べることができます。ポイントが限られているので「ズバリここの価格は?」ということは知ることができません。

国土交通省の不動産標準値・基準値検索システムのキャプチャ画像

昭和45年からのデータを閲覧できますが、推移を知りたい場合を除いて最新調査年のみを選択して検索します。土地の用途も区分分けされているので、売却したい土地と同じ用途の土地に絞って検索することができます。

検索結果は若干見にくく、見たいポイントが無い場合も

国土交通省不動産の標準値・基準値検索システムの検索結果例(東京都調布市の土地価格)

地価公示価格は冒頭でも説明している通り、不動産鑑定士や地元業者の精密な話し合いの上で価格が決定されるので、自分で調べる中では最も精度が高い土地の価格相場です。

ただし公示されるポイントが限られているので、不動産業者も現実的には路線価や実際の取引価格から査定せざるを得ない現状があります。

また、公示価格は一般的に実勢価格の90%程度の価格だと言われています。

3.複数の不動産屋に査定してもらう詳細

1番簡単にかつ詳細が分かるのは、不動産業者に査定してもらうこと

上記1.2.の方法で自分で調べるとおおまかな相場の予想はつきますが、最も正確に自分の土地の価格相場を知るにはやはり不動産屋に査定してもらわないと分かりません。

それも、1つの不動産屋だけでは本当に相場通りなのかが見分けられないため、土地売却時には複数の不動産屋からの査定は必須です。

不動産業者により、土地の価格は上下10%以上も差がある

不動産業者は大手から中小企業まで多くの会社がありますが、「うちは住宅用地の販売が得意」「市街地農地の販売が得意」「時期を重視して値段をつけている」・・・等々、その営業活動方針も様々です。

また、査定を依頼した不動産業者がたまたま現金が早く欲しい経済状況であったりすると、早めに売却できるよう相場よりやや低い査定額をつけてくることもあります。

■不動産屋による土地査定額の違い
A社 B社 C社 D社
3,580万円 2,980万円 3,200万円 3,150万円

同じ物件でもこれだけ査定額に差が出ます。ひとつだけの不動産屋に査定して貰うだけでは相場が見えてこないので、最低でも3社程度には査定額を貰った方が良いです。

ひとつひとつ申込みをしていては大変手間なので、不動産一括査定サイトが便利です。

一度の入力で自宅からインターネットを通して依頼ができ、複数の不動産屋からそれぞれ査定額を出してもらう事ができます。
土地の一括査定依頼はこちらからできます。

複数の業者に実際に査定して貰って初めて、自分の土地の正確な価格相場が分かります。

※いざ売却するとき、1番高い査定額を付けてくれた不動産屋に仲介してもらおう!と考えがちですが、何故この査定額になったのか、この額で売却するためにはどういう営業活動をしていく予定なのかまで含めて担当者に確認することが重要です。
詳しくは→不動産を高値売却できる、不動産屋の選び方

4.路線価から調べる詳細

最後に路線価から土地の価格相場を調べる方法です。

路線価は本来相続税や贈与税の計算に使用されるものですが、土地の価格相場を調べる際にも参考になります。

路線価は国税庁が毎年7月に公表していて、インターネット上でも閲覧ができます。
→国税庁 路線価図・評価倍率表 http://www.rosenka.nta.go.jp/

路線価から実勢価格の簡単な算出方法はこちら

路線価のより詳しい計算方法

路線価から土地の価格を調べるには、様々な補正率があります。土地と言うのは、その土地の形が正方形に近ければ近いほど評価が高くなります。

土地の形状(間口が狭い、三角形など特殊な形)の事例イラスト

上記のような間口が狭かったり、三角形のような特殊な形状である土地は評価が下がってきます。このような土地は路線価×平米数で単純に計算することはできず、補正計算が必要です。

路線価は実勢価格よりも約2割~3割程度安く設定されているので、算出した路線価よりも相場は高いということを理解しておきましょう。

土地の評価額が下がる例
  • 形が悪い
  • 建物が建て難い
  • 日が当たらない
  • 土壌汚染がある
  • 道路に面していない
  • 土地の一部に道路が通っている
  • 墓地の隣
  • 高圧線が上に通っている

主な土地の評価額の加算・補正の種類

  • 1.奥行価格補正
  • 2.側方路線影響加算
  • 3.二方路線影響加算
1.奥行価格補正

この補正では、土地の奥行の距離に応じて路線価を補正します。計算には奥行価格補正率表で定められている補正率を使用します。

4m未満0.80.90.90.90.90.850.85

■奥行価格補正率表
奥行距離\地区区分 高度商業地区 ビル街地区 繁華街地区 普通商業・併用住宅地区 普通住宅地区 中小工場地区 大工場地区
4m以上6m未満 0.92 0.92 0.92 0.92 0.9 0.9
6m以上8m未満 0.84 0.94 0.95 0.95 0.95 0.93 0.93
8m以上10m未満 0.88 0.96 0.97 0.97 0.97 0.95 0.95
10m以上12m未満 0.9 0.98 0.99 0.99 1 0.96 0.96
12m以上14m未満 0.91 0.99 1 1 0.97 0.97
14m以上16m未満 0.92 1 0.98 0.98
16m以上20m未満 0.93 0.99 0.99
20m以上24m未満 0.94 1 1
24m以上28m未満 0.95 0.99
28m以上32m未満 0.96 0.98 0.98
32m以上36m未満 0.97 0.96 0.98 0.96
36m以上40m未満 0.98 0.94 0.96 0.94
40m以上44m未満 0.99 0.92 0.94 0.92
44m以上48m未満 1 0.9 0.92 0.91
48m以上52m未満 0.99 0.88 0.9 0.9
52m以上56m未満 0.98 0.87 0.88 0.88
56m以上60m未満 0.97 0.86 0.87 0.87
60m以上64m未満 0.96 0.85 0.86 0.86 0.99
64m以上68m未満 0.95 0.84 0.85 0.85 0.98
68m以上72m未満 0.94 0.83 0.84 0.84 0.97
72m以上76m未満 0.93 0.82 0.83 0.83 0.96
76m以上80m未満 0.92 0.81 0.82
80m以上84m未満 0.9 0.8 0.81 0.82 0.93
84m以上88m未満 0.88 0.8
88m以上92m未満 0.86 0.81 0.9
92m以上96m未満 0.99 0.84
96m以上100m未満 0.97 0.82
100m以上 0.95 0.8 0.8

補正の計算方法は、「路線価×補正率=1平方メートルあたりの評価額」です。

奥行価格補正の計算方法例解説図

※この方法で算出した評価額は、実勢価格の7割~8割の金額であることに注意しましょう。

2.側方路線影響加算(角地加算)

角地とは交差点など角の土地のことで、角地は利用価値が高いとされているので土地の評価をする際には加算があります。

角地加算の計算方法は若干手間がありますが、ひとつひとつはそんなに難しい計算方法ではありません。

ややこしく見えるけれど、一つ一つの計算は簡単!

(1)正面路線価を決める

角地は2つの路線に面しているので、2つの路線価があることになります。まずはこの2つの路線価を奥行価格補正し、高い方の価格を正面路線価とします。

側方路線加算(角地加算)の計算方法事例解説図

(2)側方路線価から加算される額を計算する

(1)で正面路線価としなかった方の路線価を「側方路線価」とします。

側方路線価から見た奥行に、奥行価格補正率を掛けて、さらに側方路影響加算率を掛け算出された金額が角地加算の額となります。

■側方路線影響加算率表
地区区分 加算率
角地の場合 順角地の場合
ビル街地区 0.07 0.03
高度商業地区

繁華街地区

0.10 0.05
普通商業・併用住宅地区 0.08 0.04
普通住宅地区

中小工場地区

0.03 0.02
大工場地区 0.02 0.01

角地評価加算分の計算事例解説図

(3)評価額を算出する

(1)と(2)で出た金額を足して、土地の面積を掛けたものが最終的な角地の評価額となります。

最終的な角地の土地評価額の算出の計算式事例解説図

普通の土地では37,125,000円の評価額だった土地が、角地加算が入ることにより72万7,500円も評価額がアップしたことになります。

3.二方路線影響加算(裏面加算)

表と裏に道路が面している場合の土地では加算があります。計算方法は上記の側方路線加算(角地加算)と同じで、正面路線価をもとに加算額を算出します。

■二方路線影響加算率表
地区区分 加算率
ビル街地区 0.03
高度商業地区

繁華街地区

0.07
普通商業・併用住宅地区 0.05
普通住宅地区

中小工場地区

大工場地区

0.02

二方路線影響加算の計算事例解説図

普通の土地では37,125,000円の評価額だった土地が、二方路線影響加算(裏面加算)が入ることにより48万5,000円評価額がアップしたことになります。

路線価はあくまで相続の際の評価

上記の加算や補正の他にも「間口狭小補正率」や「奥行長大補正率」、不整形地や無道路地についての補正など評価を下げるための制度が多くあります。

もともと路線価というのは、相続や贈与の際に「この土地はこのくらいの評価だから税金はこれくらいかかります」という計算の為に使用するものなので、実勢価格とは差があります。

不動産屋からの査定のように「いくらで売れるだろう」という計算とは少し意味が違うので、その点に注意しましょう。

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