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ケース別売却ノウハウ【専業主婦や扶養内妻が不動産を売却した時】税金や社会保険

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専業主婦や扶養内妻が不動産を売却して収入を得ると、税金や社保の扱いはどうなるか?

一時的な不動産売却収入による
具体的な税金・社会保険への影響は?

専業主婦や扶養内でパート収入を得ている妻が家や土地、マンションなどの不動産を売却したとき、「扶養からはずれなきゃいけないの?」「税金が増える?」という心配が生まれます。

専業主婦や扶養内で働く妻に一時的に不動産売却収入が発生した場合は、条件により税金や社会保険に影響がある場合とでない場合に分かれます。

このページでは妻が不動産物件を売却したとき、税金や社会保険の扶養の扱いはどうなるのか。確定申告はするのか、夫にどんな影響があるのかを分かりやすくまとめています。

1.扶養の仕組み・不動産売却収入がいくらあると扶養からはずれるのか

妻の所得が増えることにより影響を受ける扶養には、

  • 「税金の扶養」(配偶者控除)
  • 「健康保険の扶養」
  • (ある場合)「会社からの扶養手当」

この3種類があります。

不動産売却収入による「税金の扶養」(配偶者控除)への影響

税扶養(配偶者控除・配偶者特別控除)の仕組み解説図

  • 所得とは、給与収入から「給与所得控除」を差し引いた金額です。収入が年間1,625,000万円までの人の給与所得控除は65万円です。
  • 生計を一にする配偶者の所得金額が38万円以下(年収でいうと103万円以下)の場合、夫が確定申告(年末調整)の時に配偶者控除38万円を使えます。
  • 配偶者の所得金額が38万円を超えると、配偶者控除は使えず「配偶者特別控除」の適用になります。配偶者特別控除は配偶者の所得金額により控除額が変わります(3~36万円)。
  • 夫の所得が1,000万円以上ある場合配偶者特別控除は使えません。
給与所得控除の金額
給与等の収入金額(給与所得の源泉徴収票の支払金額 給与所得控除額
180万円以下 収入金額×40%
65万円に満たない場合は65万円
180万円超 360万円以下 収入金額×30%+18万円
360万円超 660万円以下 収入金額×20%+54万円
660万円超 1,000万円以下 収入金額×10%+120万円
1,000万円超 1,500万円以下 収入金額×5%+170万円
1,500万円超 245万円(上限)
つまり・・・

妻の不動産売却による税金の扶養(配偶者控除)への影響まとめ 解説図

妻のパート収入などの給与収入と不動産物件を売却して得た所得を合わせて所得が38万円を超えると、夫は配偶者控除(38万円)が受けられなくなります。妻の所得が76万円を超えると、配偶者控除・配偶者特別控除は一切適用することができなくなります。このことにより夫の手取り額が減ってしまいます。

※どのくらい金額が変わるかというと、例えば年収400万円の夫でこれまでは配偶者控除が適用されていた場合、約3~4万円の所得税アップ(年間)となります。

不動産売却収入による「健康保険の扶養」への影響

土地売却による健康保険・共済組合保険の扶養の仕組みと影響 解説図
※妻が60歳未満の場合。60歳以上は180万円以上で扶養扱いにできません

夫が会社員の場合は健康保険、公務員の場合は共済組合保険に加入していて、保険料は自分と会社とで折半しています。妻の収入が130万円未満(妻60歳以上では180万円未満)であれば扶養として扱われ、妻も夫と同じ保険に加入することができます。
保険料は標準標集月額×保険料率で計算され、(夫の)不動産売却による収入は保険料に影響しません。

ただ、扶養である妻の収入が増えたときは話が変わります。妻が不動産を売却したことにより妻の収入が130万円以上となってしまい、且つその収入額が夫の収入の1/2を超えた場合は扶養から外れなくてはならない場合があります(会社により不動産所得は“一時的な収入”として扶養から外れなくても良いところがあります。まずは夫が加入する保険の保険者又は会社の総務課等へ確認しましょう)。

扶養から外れることが決まれば、国民健康保険への加入が必要になります(家計にとっては保険料負担が一時的に増します)。

国民健康保険、後期高齢者医療制度の場合

不動産収入は高額の為、一時的に高額所得者扱い
→国保や後期高齢者医療制度の場合、保険料が高額に!

加入している保険が国民健康保険や後期高齢者医療制度の場合は、扶養扱いというものはありません。夫、妻の収入により保険料は計算され、世帯主である夫宛に保険料の納付書が届きます。

国保と後期高齢者に扶養という概念はない。

不動産売却によって妻の収入が一時的に増えると、翌年の国民健康保険料が上がります。家や土地、マンションを売却して増える収入はやはり百万~数千万円単位になります。

これによって国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険料が一気に跳ね上がり、翌年の国民健康保険料は最高限度額(年間75~85万円程度)に達してしまうことになります。

もちろん翌々年には元の保険料に戻りますが、年間85万円の保険料のときの月額負担は7万円を超えます。これらを考慮して売却資金を残しておかないと、翌年保険料の支払いがかなりきつくなります。

つまり・・・

妻の土地売却による健康保険扶養への影響 解説図

夫が会社員の場合は「不動産売却収入を“収入”に含むか、それとも“一時的な収入”とするか」会社によって対応が変わるのでまずは会社・保険者へ確認を。国保、後期高齢者医療制度に加入している場合は翌年の保険料が増加します。それなりの蓄えを売却資金から残しておきましょう。

「会社からの扶養手当」

公務員は問題なし!会社員は会社の就業規則により
支給条件が定められています

夫が公務員の場合

公務員の場合、扶養手当の受給条件は「被扶養者の所得が恒常的に130万円未満の場合」で、配偶者である妻がこの条件を満たせば月13,000円の配偶者手当があります(地方公務員の場合は自治体により差がありこの限りではありません)。

妻の不動産売却による収入は「恒常的な収入」とはみなされず、扶養手当もこれまで通り支給を受けることができます。

夫が会社員の場合

会社員の場合は勤務先により受給条件・金額は異なります。配偶者を扶養している場合、月額5,000円~13,000円の金額を支給すると定めている会社が多いです。

受給条件として多いのが、

  • 税扶養に合わせ妻の所得が103万円以下であれば受給OK
  • 健康保険扶養に合わせて180万円未満の収入であれば受給OK

この2つの条件です。

扶養手当が支給されている会社では、必ず就業規則で扶養手当支給要件が定められています。一時的な不動産売却収入をどう扱うかは会社の判断になりますので、夫の勤め先に確認しておきましょう。

2.不動産売却益(所得)はいくら?不動産所得の計算と確定申告

ここまで、妻が家や土地などの不動産を売却して収入が増える事で影響を受ける扶養について書いてきました。税扶養には「所得」が、健康保険には「収入」が関係することがお分かり頂けたと思います。

次に「じゃあ不動産を売った収入と所得っていくらになるの?」ということを解説したいと思います。

売却価格がそのまま所得になる訳ではない

不動産を売却したときは、売却価格=「収入」です。そこからその土地や家を買った時の金額・仲介手数料などの必要経費を差し引いたものが「所得」です。

不動産売却価格-取得費-必要経費-所得

必要経費として引けるものは、仲介手数料(取得時・譲渡時共に)、契約書への印紙代や登記費用(登録免許税・司法書士に支払った報酬)など。
(※詳しくはこちら→【不動産売却の税金】控除・計算方法・申告の時期

相続した不動産を売却したときは、支払った相続税額を取得費に加えられる特例もあります。

取得費は引き継げる

利益が出ていない場合は扶養に何も影響がない
確定申告も原則必要ありません

親からもらった、相続した土地や家の場合、取得費は親から引き継ぐことができます。また、仮に売却価格よりも購入価格の方が高ければ、所得はマイナス(赤字)となり税扶養や健康保険扶養には何も影響ありません。利益が出ていないので税金もかかりませんし、原則確定申告の必要もありません。

取得費が分からないときは、売却価格の5%を取得費として計算します。この場合利益が大きく出ることになるので、なんとか購入価格を証明できる売買契約書を見つけたいところです。

利益が出れば必ず確定申告が必要です

不動産を売却した価格から、取得費や必要経費、使える控除額を差し引いても所得がプラスであれば必ず確定申告が必要です。

年末調整を会社でしておくと申告時に転載すれば良いだけで楽なので、パートや正社員など働いている主婦の方は確定申告をする場合でも年末調整をしてもらいましょう。

確定申告の時期や書き方についてはこちら
【不動産売却時の確定申告】時期と方法、書類の書き方

3.不動産売却で支払う税金(所得税と住民税)

専業主婦や扶養内妻でも、不動産を売却して所得が発生したら当然税金を納める必要があります。

家や土地を売却したとき発生する税金は「所得税」「住民税」です。不動産を売却したときは、分離課税といって他の給与収入とは別に計算されます。
※先述した通り、買った値段より安く売った場合は税金はかかりません。

税金ってどのくらいかかるの?

不動産を売却したときの所得税率、住民税率は以下の通りです。

不動産を売却したときの所得税率・住民税率の解説図(所有5年以内合計39%、所有年超合計20%)

該当不動産の所有期間によって税率が変わります。この税率は、売却価格ではなく不動産「所得」に対してかかります。

不動産「所得」に税金がかかることを解説した図

取得してから5年以内に不動産を売却したときは、なんと所得の約4割を税金でもっていかれてしまうということになります。

ここでの注意点は、相続で自分の名義となった不動産の場合「相続した日から5年」ではありません。「死去した親などの被相続人が、その土地を買った日からの年数」をそのまま引き継ぐことになります。

支払税金額早見表
・所有期間5年以下の場合
所得 所得税(30%) 住民税(9%) 合計(39%)
100万円 30万円 9万 39万円
500万円 150万円 45万円 195万円
1,000万円 300万円 90万円 390万円
1,500万円 450万円 135万円 585万円
2,000万円 600万円 180万円 780万円
2,500万円 750万円 225万円 975万円
3,000万円 900万円 270万円 1,170万円
4,000万円 1,200万円 360万円 1,560万円
5,000万円 1,500万円 450万円 1,950万円
・所有期間5年超の場合
所得 所得税(15%) 住民税(5%) 合計(20%)
100万円 15万円 5万 20万円
500万円 75万円 25万円 100万円
1,000万円 150万円 50万円 200万円
1,500万円 225万円 75万円 300万円
2,000万円 300万円 180万円 780万円
2,500万円 750万円 100万円 850万円
3,000万円 450万円 150万円 600万円
4,000万円 600万円 200万円 800万円
5,000万円 750万円 250万円 1,000万円

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